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Note to Self:

家に午後3時くらいにかえってきた。肌寒いがきれいな秋晴れの日だった。

部屋の整理整頓、洗濯する。

そうしていると近所の10歳くらいの男の子ケビンがルームメートのベンを訪ねてきた。ケビンは私にマンカラ(石のゲーム)をしようよ!っと積極的に誘ってきてくれる人懐っこい男の子だ。彼はケープベルデの子ではなくアフロアメリカンである。ベンの自転車直しの工具をかりにきたのだ。かえるときにまた彼は「マンカラいつできる?』ときいてきた。私自身がスケジュールめちゃくちゃなのでなかなか約束事が苦手だが、来週の日曜の午後に約束した。

 

5時くらいにしたにおりてくると、この秋はじめての火が暖炉に入っていた。日本には暖炉というものがないし、私は暖炉の火をみるのが好きだ。火が炭となった/なっていく木をつわって動いていくのを観ているのがとてもおもしろい。

暖炉の火を20分くらいみて、飽きてきたので散歩にいくことにした。外にでるとベンが前庭と歩道の枯れ木の掃除をしている。モナドナックを家から右のほうに2分くらいいった家の前庭にウィリーとジェフリーがいた。ジェフリーは21.2歳のなかなかかっこいい青年だ。ときどき岩で一緒にビールをのむが、いつもトレーナーにダボパンツに野球帽、身きれいにしているし、よっぱらいすぎることもないし、一般的にいって好感のもてると思う。ウィリーはうちのルームメートがいく近所の教会の牧師だ。異色(?)牧師というか、この辺で育ったウィリーは若い頃は相当な悪で結構名のしれた麻薬の売人だっただったらしい、仲間内の密告により刑務所にはいり品行方正だったので執行猶予付きで去年の春出てきた.10年刑務所生活をしたそうだ。(刑が短くっなって10年ってどれだけ麻薬売ってたんだ!!っておもうが。。。)彼は50代のガタイが大きい太ったおじさんで異色(?)の牧師というのだろうか。ウィリーのことはまた今度かくとして、私はウィリーと仲がけっこういい。夏の忙しくないときはウィリーのトラックでアイスクリームやホットドッグ食べにいったり、仕事(1人でちいさいな工務店をやっている)を手伝ったりしてた。エニウェイ。。。ウィリーの青いトラックがジェフリーの家の前で止まっていたのだ。

ジェフリーは私をみてちょっと顔を緩めたが、全体的に無表情をいうか、にこりともせず無口だった。ウィリーとはいつもどうりにこにこと世間話をした。『だれか引っ越すの?』ときくと近くに良い部屋があったから引っ越す友人の手伝いをしている、だそうだ。私はジェフリーに歩み寄り、なにか手伝うか、と聞くと、「いや、俺は言われた言われた事やってるだけだし、」と首をすくめなぜかそっけない。そこに顔なじむの細い60代くらいの黒人の女の人がきた。彼女はいつもスーツのようなちょっと大きめなジャケットとスカートをはいており、、、、良い表現ができないのだが、フレンドリーなのだが何となく『変』、または知り死滅なことが多い。昔、私がベニーたちと一緒に岩で飲んでたら、彼女がきて、もうじき億万長者と結婚して、盛大な結婚式をして大豪邸に引っ越すんだと、聞いていないのに20分くらい一人で話していった。彼女が立ち去ったあと、一人のケープベルデのおじちゃんが、「クレイジー。。あの人は麻薬と結婚したんだよ、」と言った.そういえば直前までいたジェフリーがそのとき岩から姿を消していた。エニウェイ。。。ジェフリーはそのひとがくると、『ねえ、10ドルちょうだいよ、くれるって言ったじゃん。」とぶっきらぼうに、相変わらずの無表情でいった。『ああ、いったね、でも今日の夜9時から仕事に行くときにお金必要だから、今はだめよ」と彼女。この人はなんの仕事をしているんだろう、と私はふと思った。ジェフリーは相変わらず静かだ。

話の流れから彼女の引っ越しということが分かった。少ない荷物があっという間にウィリーのトラックに積まれ、さあ、いく、というときに彼女が『Bye, bye, give Mommy kiss」とジェフリーにいうと、ジェフリーは無表情なまま彼女の頬にかるく口づけした。じゃ−ねーと陽気に彼女が出て行くのを、ジェフリーと私は見送った。ジェフリーは始終つかれたように無言だった。ジェフリーに笑顔を出させたくて、私は不用意に「あなた小さな男の子みたいな顔してるわよ。ママ寂しいの?」と冗談まぎれに笑いかけたら「別に、俺は大人の男だよ。それに彼女は別の所にいくのははじめてではないし』と私をまっすぐにみて返事をしてきた。

ジェフリーにそのままバイバイして、お散歩を続行。モナドナックと平行しているバージニア通りを続ける。バージニアはモナドナックと平行しているおとなりの道である。モナドナックに比べて静かで、一軒一軒の家の造りも大きく、一寸見はちょっと高級住宅地に迷い込んでしまった錯覚がある。でもこの短い道には2軒麻薬、お酒中毒の人たちのリハビリ共同生活の家(ハーフウェイハウス)があり、1軒のRooming houseがある。静かそうに見えるこの道、いえいえのなかにもたくさんのドラマが詰まっているんだな、、、と思いながらあるいた。そうしているとバージニアの1軒の家の階段のところにパジャマみたいなのをきた浮浪者風(失礼!)の男の人が寝ていた。

 

家にかえってきて忘れないように今日の出来事をかいている。何でもない出来事のつながりだが、なんとなく肌寒い日の心にしみ込む気がした。目をつむったらそのまま忘れてしまいそうな、私の小さな”思った事”たち。意味の無いことごとだが、心のしわになって忘れないでいきたい。と思った。

 

夜はうちで毎週恒例のSunday Dinnerがあった。夏まえに引っ越していったカナダ人の医者ルークが訪ねてきてくれて、ひさしぶりに食事のあとハウスメートが全員同じ部屋に集まった。家主のボブ、この冬に大好きな恋人と結婚しようとしている青年ベン、仕事で悩んでいる青年デービット、アルジェリアの異文化交流からかえってきたばかりの若いカナダ人医師ルーク、それに私。いろんな人たち、いろんな性格、私以外はみんなクリスチャンでギャップをかんじたり、いろんな事が有るときはありけれど(きっと他の人もそうおもっていると思うし)でこぼこないい家になったなって思った。